生物多様性保全パートナーシップ協定

生物多様性保全パートナーシップ協定制度について

県内では、生き物や環境保全に取り組んでいる様々な保全団体がありますが、活動資金やマンパワーの面で課題を抱えている団体も少なくありません。
生物多様性を保全していくためには、行政や保全団体だけではなく、企業や学校などとも連携し、社会全体で保全に取り組んでいく必要があります。
そこで長野県では、平成27年度に「生物多様性保全パートナーシップ協定制度」を創設し、多様な主体との連携による生物多様性保全を推進しています。

生物多様性保全パートナーシップ協定の仕組み・流れ

保全団体と企業のマッチング

活動継続に困っている県内の保全団体と、環境意識の高い企業、都市部自治体、大学等との仲介とマッチングを長野県が行います。協働で取り組む保全活動の内容や支援内容がまとまりましたら、その内容を文書化し、「生物多様性保全パートナーシップ協定」を締結します。

企業等による活動支援の例

1.資金面の支援

  • 企業等から保全活動を行う団体へ直接寄付(企業等から県にいったん寄付し、県から団体へ補助金として交付することもできます。)
  • 企業等から県に寄付し、県の事業として直接執行
資金支援の例

2.人的面の支援

  • 企業と団体の協働による現地での保全活動
  • 企業等が持つ技術を保全活動へ活用

長野県の役割

県は協定締結以降も、協定事項の進捗管理等をサポートする他、広報活動を通じて保全活動の実績などをPRいたします。

活動支援の様子

企業と保全団体の協同による生息地の改善
企業の敷地内に希少チョウの保護区を整備

協定一覧

番号締結者締結日主な連携内容活動実績の事例
1甲:ミヤマ株式会社
乙:ミヤマシジミ研究会
丙:長野県
2015年8月28日1)甲は乙が行うミヤマシジミの保護活動に資金を支援
2)甲は会社敷地内にミヤマシジミの保護区を整備し、乙が技術協力
1)保護区造成、社員向け学習会の開催
2)ミヤマシジミ研究会公開講演会開催
3)保護区へのミヤマシジミ導入試験(H29)
4)保護区へのミヤマシジミ導入試験(R1)
2甲:ミヤマ株式会社
乙:信州生物多様性ネットきずな
丙:長野県
2015年8月28日1)甲は乙が行う普及啓発活動に資金を支援
2)甲乙連携で生物多様性保全を社会に啓発
1)第2回きずなフォーラム開催
2)信州自然体験キャンプ開催
3甲:林野庁中部森林管理局
乙:長野県
2015年8月28日1)絶滅危惧種の保全等における連携、協力1)保全事業(ライチョウ、アツモリソウ等)の実施
2)連絡調整会議の開催
4甲:信州生物多様性ネットきずな
乙:長野県
2015年8月28日1)生物多様性保全に関するシンポジウム開催等の連携協力1)第2回きずなフォーラム開催
2)信州自然体験キャンプ開催
3)第3回きずなフォーラム開催
4)第4回きずなフォーラム開催
5)第5回きずなフォーラム開催
6)第6回きずなフォーラム開催
5甲:楽天株式会社
乙:長野イヌワシ研究会
丙:長野県
2016年2月19日1)甲は乙が行うイヌワシの保護活動に資金を支援1)保護活動(巣の補修と補助給餌)を実施
6甲:京浜急行電鉄株式会社
乙:株式会社長野京急カントリークラブ
丙:長野県
2016年2月19日1)甲はゴルフ場の適正な管理に努める
2)乙は子ども達の環境学習活動を支援するため、丙に対して寄付
1)ゴルフ場を適正に管理
2)飯綱町と長野市の学校に図書寄贈(H29H30
7甲:国立環境研究所
乙:長野県
2016年2月19日1)甲乙連携して高山帯等にモニタリング用カメラを設置1)モニタリングカメラを10箇所に設置
8甲:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
乙:長野県
2016年3月8日1)甲は乙に対して、生物多様性保全のノウハウと企業情報を提供
2)甲乙による生物多様性保全のイベント共催等を通じ、生物多様性保全のモデルを構築
1)甲が主催する生物多様性協働フォーラムに乙が参加
2)乙が主催する第2回きずなフォーラムに甲が協力
9甲:帝京科学大学
乙:木曽町
丙:信州生物多様性ネットきずな
丁:長野県
2016年3月8日1)甲は木曽町での生物多様性保全の研究、保全活動への参加、地元小中学校の環境学習を支援
2)丙は取組の科学的・技術的指導、情報提供等
1)開田小学校で環境教育授業を実施
10甲:保土谷アグロテック株式会社
乙:大同商事株式会社
丙:霧ヶ峰自然環境保全協議会
丁:長野県
2016年6月8日1)甲乙は、丙が行う保全活動に資金を支援
2)丙は高原植物のニホンジカ食害対策の検討や試験の取組に協力
1)外来植物の駆除作業を実施
2)優占植物の刈取作業を実施
3)ニホンジカ食害対策試験を実施
11甲:松田・南信株式会社
(現:株式会社マナテック)
乙:上伊那農業高等学校バイテク班
丙:長野県
2017年1月23日1)甲は乙が行うアツモリソウの生息域外保全活動に必要となる機器の供与及び経費の一部を支援
2)乙は生息域外保全に取り組むとともに、美ヶ原自生地での生息域内保全活動に協力
1)域外保全に必要なインキュベーター導入
2)美ヶ原高原自生地で人工交配、種子採取
3)美ヶ原高原で採取した種子を用いた無菌培養
12甲:岡谷エコーロータリークラブ
乙:霧ヶ峰草原再生協議会
丙:長野県
2017年3月22日1)甲は乙が行う霧ヶ峰の自然保全再生活動に資金を支援
2)乙は自然保全再生活動に取り組むとともに、甲が実施する環境学習活動を技術支援
1)霧ヶ峰で環境学習活動を実施
13甲:サッポロビール株式会社
乙:長野県
2017年5月31日1)甲乙はライチョウ保護体制構築に向けた普及啓発活動を協働で実施
2)甲は乙のライチョウ保護対策の経費の一部を支援
1)信州環境保全応援缶第3弾発売
2)信州環境保全応援缶第4弾発売
3)信州環境保全応援缶第5弾発売
4)信州環境保全応援缶第6弾発売
5)信州環境保全応援缶第7弾発売
14甲:日清食品ホールディングス株式会社
乙:安藤百福記念自然体験活動指導者養成センター
丙:小諸市
丁:長野県
2018年5月12日1)甲及び乙は、乙の敷地内にビオトープを造成・整備し、絶滅危惧種の保護対策や生物多様性の重要性を情報発信1)ビオトープの整備
15甲:株式会社ニチレイ
乙:富士見町アツモリソウ再生会議
丙:富士見町
丁:長野県
2019年2月4日1)乙は甲の技術支援を得てアツモリソウの保全再生活動に取り組む
2)甲丙は、乙が行うアツモリソウの保全再生活動に資金を支援
1)自生地での保全活動、域外保全に関する取組等
16甲:NTN株式会社長野製作所
乙:長野県
2019年5月16日1)甲は上伊那地域のミヤマシジミの保護活動に資金を支援
2)甲は会社敷地内にミヤマシジミの保護区を整備
1)保護区の整備、ミヤマシジミ導入試験
17甲:東海旅客鉄道株式会社
乙:南アルプス食害対策協議会
丙:長野県
2022年3月17日1)甲は乙が取り組む高山植物の保全活動に必要な経費の一部を支援
2)乙は甲の支援を受けて高山植物の保全活動をより一層推進
1)南アルプス食害対策協議会の取組
18甲:株式会社コシダテック
乙:株式会社KMC北関東
丙:長野県
2022年8月19日1)甲乙は、丙が取り組むライチョウ保護対策に必要な経費の一部を支援
2)丙は支援を受けてライチョウ保護対策をより一層推進
1)長野県のライチョウ保護対策の取組
19甲:株式会社医学生物学研究所
乙:ブッポウソウの里の会
丙:長野県
2023年2月10日1)甲は乙が取り組むブッポウソウの保護活動に必要な経費の一部を支援するとともに、保護活動への人的支援により協働する
2)乙は甲の支援を受けてブッポウソウの保護活動を推進
1)中川村に飛来するブッポウソウの繁殖を巣箱設置で手助け
2)繁殖状況モニタリング
3)観察会・写真展による普及啓発
20甲:株式会社長野ダイハツモータース
乙:鬼無里ブナの森を育てる会
丙:長野市
丁:長野県
2023年7月28日1)甲は乙及び丙が行う奥裾花自然園における保全活動に対し人的な支援を行う。また、丙が行う保全活動に必要な経費の一部を支援する。
2)乙及び丙は奥裾花自然園における保全活動を行うとともに、地域住民等の理解を深めるための活動に取り組む
1)奥裾花自然園におけるブナの植樹活動
2)奥裾花の保全に資する環境調査等の実施
21甲:株式会社ホンダカーズ長野中央
乙:ぽんすけ育成会
丙:長野県
2023年11月24日1)甲は、乙が行うシナイモツゴの保全活動への人的支援により協働する。
2)乙は、甲とともにシナイモツゴを保護する活動を行う。
1)シナイモツゴの生息するため池周辺での農作業を通じた保全活動
22甲:株式会社アクティオ長野支店
乙:姨捨の棚田オオルリシジミ保存会
丙:長野県
2023年12月18日1)甲は、乙が行うオオルリシジミの保全活動に必要な経費の一部を支援するとともに、人的な支援を行う。
2)乙は、オオルリシジミの保全活動を行うとともに地域住民等の理解を深めるための活動に取り組む。
1)オオルリシジミの生息地における、生息環境の改善に向けた保全活動
23甲:飯島建設株式会社
乙:姨捨の棚田オオルリシジミ保存会
丙:長野県
2023年12月18日1)甲は、乙が行うオオルリシジミの保全活動に必要な経費の一部を支援するとともに、人的な支援を行う。
2)乙は、オオルリシジミの保全活動を行うとともに地域住民等の理解を深めるための活動に取り組む。
1)オオルリシジミの生息地における、生息環境の改善に向けた保全活動
24甲:寿高原食品株式会社
乙:姨捨の棚田オオルリシジミ保存会
丙:長野県
2023年12月18日1)甲は、乙が行うオオルリシジミの保全活動に必要な経費の一部を支援するとともに、人的な支援を行う。
2)乙は、オオルリシジミの保全活動を行うとともに地域住民等の理解を深めるための活動に取り組む。
1)オオルリシジミの生息地における、生息環境の改善に向けた保全活動
25甲:株式会社フジテック
乙:姨捨の棚田オオルリシジミ保存会
丙:長野県
2023年12月18日1)甲は、乙が行うオオルリシジミの保全活動に必要な経費の一部を支援するとともに、人的な支援を行う。
2)乙は、オオルリシジミの保全活動を行うとともに地域住民等の理解を深めるための活動に取り組む。
1)オオルリシジミの生息地における、生息環境の改善に向けた保全活動
26甲:株式会社守谷商会
乙:姨捨の棚田オオルリシジミ保存会
丙:長野県
2023年12月18日1)甲は、乙が行うオオルリシジミの保全活動に必要な経費の一部を支援するとともに、人的な支援を行う。
2)乙は、オオルリシジミの保全活動を行うとともに地域住民等の理解を深めるための活動に取り組む。
1)オオルリシジミの生息地における、生息環境の改善に向けた保全活動
27甲:更級農業高等学校
乙:姨捨の棚田オオルリシジミ保存会
丙:長野県
2023年12月18日1)甲は、オオルリシジミの生息環境改善に資する活動について、乙との協働により実施する。
2)乙は、オオルリシジミの保全活動を行うとともに地域住民等の理解を深めるための活動に取り組む。
1)オオルリシジミの生息地における、生息環境の改善に向けた保全活動
28甲:株式会社マーブルシュッド
乙:長野県
2024年7月26日1)甲は、乙が取り組むライチョウ保護対策に必要な経費の一部を支援
2)乙は支援を受けてライチョウ保護対策をより一層推進
1)長野県のライチョウ保護対策の取組
(令和6年7月現在)